2012年8月7日火曜日

生活者の想像と妄想が組織における競争力の源泉となる

先日,大学図書館で偶然見つけたソーシャルシフト-これからの企業にとって一番大切なこと』を読みながら頭の中で考えたことをまとめていく。本書の中で頻繁に指摘されていた「共感」や「生活者の事前期待を上回るサービスを常に提供すること」などを軸に,これからの組織(企業や団体)が人を惹き付けるために何が必要となってくるのかを1度考えてみましょう。

結論を先に言うのであれば「どれだけ生活者(消費者や組織メンバー)に,組織に対するポジティブな想像や妄想を抱いてもらえるかどうか」ではないだろうか。もっと分かりやすく言えば,彼らにどれだけの「ワクワク感を提示できるかである。


このことは,単に企業組織だけではなく大学生によるサークル,学生団体,インターンシップ先,アルバイト先や就職活動など多岐に渡ると考えられる。因みに,私はインターンシップ先や就職先を選択する際に重要視していたことの1つは「どれだけ組織に対して想像や(アイデアの)妄想を抱けるかどうか」であった。


もちろん,生活者が抱く想像や妄想は必ずしも合理的あるいは論理的なものであるとは限らない。時には,過大な妄想によりミスリードされてしまうこともある。しかし,生活者に対して何の感情も抱かせることができない組織に私たちは,好意的な態度を示すことができるだろうか。

(厳しい言い方になってしまうが,大手電機メーカーが苦境に立たされている原因は,単に株価が落ちたことやサムスンやLGなどの海外メーカーとの激しい競争に巻き込まれているからだけではなく,生活者にポジティブな想像や妄想を抱いてもらうことができていないからだ,と私は思っている。つまり,彼らの製品からワクワクを感じることができない。)


このことを就職活動に例えるならば,あの組織に属したら「○○ができる」「△△を生かせば◇◇を効率的に変えることができるかもしれない」などのポジティブな想像や妄想を求職者に対して具体的に抱かせることが可能な組織は非常に強い。


逆に,このような想像を抱いてもらうことができない組織は,競争力を失い,優秀な人材を集めることができず,衰退の一途をたどるのではないだろうか。人間は,自分たちが考えている以上に不合理な生き物であり,感情的に行動する性質がある



皆さんが所属する組織あるいは組織が提供するサービスには,生活者の想像や妄想を掻き立てるほどの物語(ストーリー)や共感される要素があるのかどうか?を再確認する必要がある。


生活者による想像や妄想を共有できる人間味のある組織が,不確実性に溢れる激動の21世紀を駆け抜けることができるであろう。生活者の想像と妄想が組織における競争力の源泉となる時代が見えつつある。