今週金曜日は休みを利用して、20年ぶりの鎌倉・七里ケ浜への1人旅。心地よい海風に吹かれながらの読書は、いつもとは違う刺激。今回選んだのは「暮しの手帖」前・編集長である松浦弥太郎氏の『正直』という本。地元の本屋で偶然手に取った1冊。仕事論的な要素がありつつ、気になる文章があったので紹介。
■頭を使うのをやめてみる
僕たちは、答えを探しすぎている。ピンポイントで正解を得ようと、一生懸命になりすぎている。見知らぬ国を旅していても、誰も道に迷わない。スマホの地図にガイドをしてもらい、最短ルートで目的地に辿り着く。
目的地は、口コミで一番おいしいと言われる店。確かにおいしいし、失敗も無い。食べたら「これだけは外せないスポット」に行き、「お勧めの角度」の写真をとる。すでに知っていることを確認するのが旅なのだろうか。新しい発見がなくても、楽しめるのだろうか。
失敗を防ぐことしか考えず、守りの姿勢に入っているのは、人間関係でも同じだろう。相手を傷つけないようにつっこまいないし、自分もつっこまれないと防御する。無難な言葉しか口にしない。たとえ家族でも恋人でも親友でも、無防備な自分でいないのだ。頭で考え、言うべきセリフを考えてしまう。
旅をしながら「グサっ!」と刺さる言葉。お店に入る前に口コミサイトを調べる、どこを歩く前にもGoogle マップを使用している自分。確かに便利、おいしいお店も見つかる、失敗も少ない、効率も良い。その通りだ。でも、一方で感動というか「新鮮な気づき」が少ないような。頭を使いすぎて、心が全く動いてない。既に誰かがしている普通の旅になっている。誰かの足跡をなぞる感覚。
頭を使いすぎないためには、先ずは「心を動かすこと」が大事。観光客が多い表の通りではなく、一歩路地に勇気を出して外れてみる。そこには何も無いかもしれない、危ない経験をするかもしれない。でも、そんな経験をするから、自分だけの旅ができるのだと思う。だから、僕は国内でも海外でも旅する時は、とにかく自分の足で歩いて「見て、聞いて、感じる」ようにする。
旅も仕事も同じ。目先の損得/成功と失敗を考えすぎず、目の前のことに対して「心を動かそう」。心が先。心が動けば自然と考える。そんな学びを『正直』から得ました。
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