昨日,都内のある大学で約1年ぶりにTOEICを受験しました。今回はスコアが急に必要になったという訳ではなく,3ヶ月間のフィリピン留学と1か月前から始めたオンライン英会話の成果を試す(実証)という理由で受験しました。久しぶりに受験した手応えとしては,1年前に比べれば多少手応えがありました。1カ月後のスコア発表を非常に楽しみにしています。
さて,今回はツイッターやブログで頻繁に話題になる「TOEICに意味がある/なし論争」を改めて考えてみようと思います。下記のように「日本企業が求めるTOEICの点数があまりにも低いので役に立たない」という意見もありますが,今回はこの議論を置いといて「TOEICのスコアが意味すること」や「TOEICの肯定的/否定的な点」などを考えまとめました。
◆TOEIC(Test of Engish for International Communication)
国際コミュニケーション英語能力テスト(ウィキペディア)
http://p.tl/6rEB
TOEICはどれくらい英語ができないかを測る試験
http://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/archives/2193986.html
日本企業が求めるTOEICスコア一覧表(2011年1月版)
http://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/archives/2193943.html
先ずはTOEICに関する基本的なデータを見てみましょう。意外に知らない点などがあると思います
ので,簡単に整理してみましょう。具体的なデータを把握したうえで建設的な議論を展開しましょう。
TOEIC|公式データ一覧
http://www.toeic.or.jp/toeic/data/data.html
「TOEIC受験者数の推移」を確認すると,近年は受験者数が伸び悩んでいるものの,2010年の公開テストの受験者数は約80万人,団体特別受験制度の受験者数は約100万人というデータが出ています。また,「公式テスト 平均スコア・スコア分布一覧」を確認すると,2011年に行われた全7回の試験での1回当たりの受験者数平均は約11万人,また平均スコアは約576点でした。受験者数の多さに驚くと共に,平均スコアが意外に高いことに驚きました。正直,実際のスコアはもう少し低いと思っていました。
次に,一般的にTOEICに関して議論される点を「否定/肯定」の2つに分けて比較します。この種の議論の多くが感情論で否定的な意見が展開される傾向にあるので,今回は公正を保つために肯定的な意見をあえて記しました。
◆(一般的に)TOEICが否定される点
・リーディング/リスニングのみで英語のバランスに欠ける
・TOEICのスコアが高くてもスピーキング力が向上しない
・TOEICの勉強だけしても実践で役に立つ英語力は身に付かない
・TOEICを勉強することが「目的」になってしまう人が多い
・TOEICのスコアが低くても実践で使うことができればいい
・TOEICよりもTOEFLのスコアの方が海外では評価される
・試験に特化した勉強をしないとスコアが上がらないから意味がない
◆(一般的に)TOEICが肯定される点
・スコア次第で入社試験や昇進の際に足切り(フィルタリング)が出来る
・その人の基礎的な英語力(文法や構文の理解度)を把握することが出来る
・試験というものに対する適応力の把握(高スコアの場合「一定の努力」をしたことを証明できる)
・現在の英語の基礎力をスコアという形で他者と簡単に比較できる
などやはり肯定的な点よりも否定的な点が挙がりやすい傾向にあります。どちらの意見も納得できる点が多いです。特にTOEICに関する意見で最も多いのが「TOEICのスコアが高くてもスピーキング力が向上しない(英語全体のバランスに欠け,実践で役に立たない)」だと思います。
しかし,上記の意見に対して1度考える必要のある側面があります。それはこの種の意見を主張している人の「ポジション(立場)」の違いです。つまり,TOEICのスコアが既に800~900に到達している人(十分な基礎力があるとされる)とスコアが600に満たない人(基礎力に欠けるとされる)とでは,主張の説得力や意味合いが大きく異なると考えています。
もちろんTOEICのスコアが低くても実践(仕事/ビジネス)で英語を利用しているので,TOEICのスコアは関係ないという意見ももちろん有りますが,そもそも全員がそのような状況にないのは明らかです。また,TOEICという試験自体を否定し本来はスコアが必要であるにもかかわらず「勉強しない」ことの言い訳にしている人がいるような気がしてならないのです。文句があるなら早い段階で一定の点数(ご自身で決める⇒800以上など)に達してTOEICから卒業すればいいだけので話だと思います。私も恥ずかしながらまだ自分の目標に達するスコアに到達していないので,粛々とスコアを意識しながら普段の英語学習に務めています。
またTOEICのスコアが高ければ基本的に「英語の基礎体力(土台)」はあると私は十分に判断出来ると思います。スピーキングの伸びも早いとフィリピン留学で体感しています。もちろんスコアだけで相手の全てを判断することはできませんが,文法やリスニングの力がそもそも不足している人の多くは高いスコアをとることは出来ないからです。なのである一定のスコアに到達していない人は「TOEICに意味がある/なし」という議論をする前にきっちりスコアで証明するしかないと思います。またTOEICという試験を「意味ある/ない」モノにするのは“あなた自身”ではないでしょうか。
社内での昇格(進)/就職活動/留学の応募にTOEICのスコアがどうしても必要な方は,スコアをとるのに徹するのが現状では最善策だと思います。(もちろん辛いのはよく分かります),一方ですぐにスコアが必要ではない方は,私のようにご自分の英語学習のペースメーカーとしてTOEICを定期的に利用すればよいと思います。
「TOEICに意味がある/なし論争」は長い間行われいつまでも盛り上がっています。こんなことを話している間に,世界はドンドン前に進んでいます。(社内英語公用語化で盛り上がるのもそもそも変な話)ご自身でTOEICのスコアが必要だと思うのなら勉強し,必要ないと思うならしなければいいだけの話です。それ以上でも以下でもありません。文句を言う前にさっさと結果を出して卒業しましょう。
【お知らせ】先月から英語専用のフェイスブックページを運用しています。海外の大学で行われた著名人による卒業スピーチや海外メディアが報じているニュースなどを中心にウォールで公開しています。英語のコンテンツに興味のある方はぜひ「いいね!」をお願いします。
さて,今回はツイッターやブログで頻繁に話題になる「TOEICに意味がある/なし論争」を改めて考えてみようと思います。下記のように「日本企業が求めるTOEICの点数があまりにも低いので役に立たない」という意見もありますが,今回はこの議論を置いといて「TOEICのスコアが意味すること」や「TOEICの肯定的/否定的な点」などを考えまとめました。
◆TOEIC(Test of Engish for International Communication)
国際コミュニケーション英語能力テスト(ウィキペディア)
http://p.tl/6rEB
TOEICはどれくらい英語ができないかを測る試験
http://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/archives/2193986.html
日本企業が求めるTOEICスコア一覧表(2011年1月版)
http://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/archives/2193943.html
先ずはTOEICに関する基本的なデータを見てみましょう。意外に知らない点などがあると思います
ので,簡単に整理してみましょう。具体的なデータを把握したうえで建設的な議論を展開しましょう。
TOEIC|公式データ一覧
http://www.toeic.or.jp/toeic/data/data.html
「TOEIC受験者数の推移」を確認すると,近年は受験者数が伸び悩んでいるものの,2010年の公開テストの受験者数は約80万人,団体特別受験制度の受験者数は約100万人というデータが出ています。また,「公式テスト 平均スコア・スコア分布一覧」を確認すると,2011年に行われた全7回の試験での1回当たりの受験者数平均は約11万人,また平均スコアは約576点でした。受験者数の多さに驚くと共に,平均スコアが意外に高いことに驚きました。正直,実際のスコアはもう少し低いと思っていました。
次に,一般的にTOEICに関して議論される点を「否定/肯定」の2つに分けて比較します。この種の議論の多くが感情論で否定的な意見が展開される傾向にあるので,今回は公正を保つために肯定的な意見をあえて記しました。
◆(一般的に)TOEICが否定される点
・リーディング/リスニングのみで英語のバランスに欠ける
・TOEICのスコアが高くてもスピーキング力が向上しない
・TOEICの勉強だけしても実践で役に立つ英語力は身に付かない
・TOEICを勉強することが「目的」になってしまう人が多い
・TOEICのスコアが低くても実践で使うことができればいい
・TOEICよりもTOEFLのスコアの方が海外では評価される
・試験に特化した勉強をしないとスコアが上がらないから意味がない
◆(一般的に)TOEICが肯定される点
・スコア次第で入社試験や昇進の際に足切り(フィルタリング)が出来る
・その人の基礎的な英語力(文法や構文の理解度)を把握することが出来る
・試験というものに対する適応力の把握(高スコアの場合「一定の努力」をしたことを証明できる)
・現在の英語の基礎力をスコアという形で他者と簡単に比較できる
などやはり肯定的な点よりも否定的な点が挙がりやすい傾向にあります。どちらの意見も納得できる点が多いです。特にTOEICに関する意見で最も多いのが「TOEICのスコアが高くてもスピーキング力が向上しない(英語全体のバランスに欠け,実践で役に立たない)」だと思います。
しかし,上記の意見に対して1度考える必要のある側面があります。それはこの種の意見を主張している人の「ポジション(立場)」の違いです。つまり,TOEICのスコアが既に800~900に到達している人(十分な基礎力があるとされる)とスコアが600に満たない人(基礎力に欠けるとされる)とでは,主張の説得力や意味合いが大きく異なると考えています。
もちろんTOEICのスコアが低くても実践(仕事/ビジネス)で英語を利用しているので,TOEICのスコアは関係ないという意見ももちろん有りますが,そもそも全員がそのような状況にないのは明らかです。また,TOEICという試験自体を否定し本来はスコアが必要であるにもかかわらず「勉強しない」ことの言い訳にしている人がいるような気がしてならないのです。文句があるなら早い段階で一定の点数(ご自身で決める⇒800以上など)に達してTOEICから卒業すればいいだけので話だと思います。私も恥ずかしながらまだ自分の目標に達するスコアに到達していないので,粛々とスコアを意識しながら普段の英語学習に務めています。
またTOEICのスコアが高ければ基本的に「英語の基礎体力(土台)」はあると私は十分に判断出来ると思います。スピーキングの伸びも早いとフィリピン留学で体感しています。もちろんスコアだけで相手の全てを判断することはできませんが,文法やリスニングの力がそもそも不足している人の多くは高いスコアをとることは出来ないからです。なのである一定のスコアに到達していない人は「TOEICに意味がある/なし」という議論をする前にきっちりスコアで証明するしかないと思います。またTOEICという試験を「意味ある/ない」モノにするのは“あなた自身”ではないでしょうか。
社内での昇格(進)/就職活動/留学の応募にTOEICのスコアがどうしても必要な方は,スコアをとるのに徹するのが現状では最善策だと思います。(もちろん辛いのはよく分かります),一方ですぐにスコアが必要ではない方は,私のようにご自分の英語学習のペースメーカーとしてTOEICを定期的に利用すればよいと思います。
「TOEICに意味がある/なし論争」は長い間行われいつまでも盛り上がっています。こんなことを話している間に,世界はドンドン前に進んでいます。(社内英語公用語化で盛り上がるのもそもそも変な話)ご自身でTOEICのスコアが必要だと思うのなら勉強し,必要ないと思うならしなければいいだけの話です。それ以上でも以下でもありません。文句を言う前にさっさと結果を出して卒業しましょう。
【お知らせ】先月から英語専用のフェイスブックページを運用しています。海外の大学で行われた著名人による卒業スピーチや海外メディアが報じているニュースなどを中心にウォールで公開しています。英語のコンテンツに興味のある方はぜひ「いいね!」をお願いします。
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