今日,1月9日は「成人の日」です。新成人の方々に心よりお祝いを申し上げます。
しかし,「ゆとり世代」と称された数年前の世代から世間一般の「成人(若者)」に対する見方は一層厳しくなっています。そこで世間の「成人(若者)」に対するイメージを把握する最良の方法は「新聞の社説/記事」(読売/朝日/産経/毎日)を比較して読んでみることだと私は思います。なぜなら各紙が成人の日に「新成人へのエール」として社説を掲載するからです。
◆読売新聞 「成人の日 苦難の時こそ好機と考えよう」
学生ならば,しっかりと将来を見据えて勉学に励み,社会人ならば,よりやりがい
と責任のある仕事を志向しないと,自分を生かせる職場は得られない状況だ。 (□=学)
企業の規模や知名度ではなく,「社会や人から感謝される」ことを基準にすれば,
素晴らしい職業に出会う機会は必ずある。多少の回り道をしても,多くの経験を
積み,可能性に挑戦するべきだ。
企業にも,新卒・既卒の区別なく年間を通じて採用するなど,柔軟な姿勢が必要だ。
新成人を仲間に迎える以上,若者の意欲をきちんと見い出す責任があるだろう。
読売新聞は「東日本大震災」をきっかけに「社会や人から感謝される仕事」や「働く幸せ」について考える機会が増えていると指摘しています。従来の「お金」を基準にした労働価値観は崩れつつある中で「働く意義」を問い直すという主張には賛成です。一方で,若者に積極的な挑戦を促し多様な経験を積ませるための「具体的な方策」を指摘していないのは残念です。少なくとも,日本社会は「遠回り/回り道」(浪人/休学/留学/ギャップイヤー)つまり「キャリアに穴が空くこと」に対して不寛容な側面があり,むしろ積極的な挑戦を阻害している部分があります。これを打開するためにも社会全体が若者の挑戦に伴う「遠回り/回り道」に対して寛容になる必要があります。
◆朝日新聞 「成人の日に 尾崎豊を知っているか」
尾崎豊はどこへ行ったのか。あの時の同じ26歳,気鋭の社会学者,古橋憲寿さんには「オヤジよ,放っておいて」と言われたそうだ。近著「絶望の国幸福な若者たち」では,20代の7割が現在の生活に満足している,との調査結果を紹介している。過去40年で最高だ。
将来の希望が見えないか,未来を探すより,親しい仲間と「いま,ここ」の身近な幸せをかみしめる。そんな世界観が広まっていると言う。なるほどね。いくら「若者よもっと怒れ」と言っても,こんな社会にした大人の責任はどうよ,と問い返されると,オヤジとしても,なぁ・・・・・・。
でも,言わせてもらう。私たちは最近の社説でも,世界の政治は若者が動かし始めた説き,若者よ当事者意識を持てと促した。それだけ社会が危うくなっていると思うからだ。だから,くどいけれど,今日も言う。成人の日ってのは,そんなもんだ。ともあれ,おめでとう。
朝日新聞は,今回の記事で尾崎豊さんを例に今の若者を分析しています。今の若者が尾崎豊さんの歌に共感出来るとか言えば,非常に難しいと思います。恐らく最近の若者は「社会が悪い」と声高に叫ぶより,身近な事柄/幸せを大事にすることの方が,「自分と社会」にとって良いと考えているのではないでしょうか。これから多くの若者は「日本を変える」「社会を変える」という大きな目標を掲げるだけではなく,小さな幸せを大事にする生き方も目指すでしょう。なぜこのような価値観が若者に芽生えたのかを「大人」の皆さんは考えるべきですね。
◆産経新聞 「成人の日 志は「世のため人のため」」
新成人の中には,彼らの分まで社会貢献をしたいと話す人もいる。「復興に尽くす」「社会貢献」・・・若者口から出るこのような言葉には,むしろ大人の心が洗われる思いである。震災をきっかけとして,若者の人生観や倫理意識,ものの考え方が明らかに変わってきているといえよう。
これまではともすれば,広がる一方の経済格差など先の見えない閉塞感に不満を募らせているとみられがちだった若者が,お金やモノに縛られない新しい価値観を見いだしたようにも見受けられる。絶望の中で命の大切さを知り,人や故郷,社会との絆を考え,本当の幸福とは何だろうと見つめるようになったのではなかろうか。
勉強も仕事も自らの成功のためと考える風潮もある中で,ささやかながらも,「世のため人のために」働き,生きようとする若者は確実に増えている。
産経新聞は,「東日本大震災」をきっかけに「社会貢献」「復興に尽くす」という「人のためになる/人の役に立つこと」を意識するという「新たな若者の価値観」が生まれたことを指摘しています。
また「お金やモノに縛られない新しい価値観」を,まさにノマドやシェアという形で現代の若者は
手に入れています。上の世代が理解することは非常に難しい価値観を彼らは大事にして生きていくのです。
◆毎日新聞 「成人の日 おおいに発言しよう」
<参考記事>
日曜哲学タイム 成人の日の社説がウザい件
http://d.hatena.ne.jp/thinking-terra/searchdiary?word=%BC%D2%C0%E2
2012年の新成人は124万人・過去最少値 新成人人口の推移をグラフ化してみる
http://www.garbagenews.net/archives/1879615.html
しかし,「ゆとり世代」と称された数年前の世代から世間一般の「成人(若者)」に対する見方は一層厳しくなっています。そこで世間の「成人(若者)」に対するイメージを把握する最良の方法は「新聞の社説/記事」(読売/朝日/産経/毎日)を比較して読んでみることだと私は思います。なぜなら各紙が成人の日に「新成人へのエール」として社説を掲載するからです。
◆読売新聞 「成人の日 苦難の時こそ好機と考えよう」
学生ならば,しっかりと将来を見据えて勉学に励み,社会人ならば,よりやりがい
と責任のある仕事を志向しないと,自分を生かせる職場は得られない状況だ。 (□=学)
企業の規模や知名度ではなく,「社会や人から感謝される」ことを基準にすれば,
素晴らしい職業に出会う機会は必ずある。多少の回り道をしても,多くの経験を
積み,可能性に挑戦するべきだ。
企業にも,新卒・既卒の区別なく年間を通じて採用するなど,柔軟な姿勢が必要だ。
新成人を仲間に迎える以上,若者の意欲をきちんと見い出す責任があるだろう。
読売新聞は「東日本大震災」をきっかけに「社会や人から感謝される仕事」や「働く幸せ」について考える機会が増えていると指摘しています。従来の「お金」を基準にした労働価値観は崩れつつある中で「働く意義」を問い直すという主張には賛成です。一方で,若者に積極的な挑戦を促し多様な経験を積ませるための「具体的な方策」を指摘していないのは残念です。少なくとも,日本社会は「遠回り/回り道」(浪人/休学/留学/ギャップイヤー)つまり「キャリアに穴が空くこと」に対して不寛容な側面があり,むしろ積極的な挑戦を阻害している部分があります。これを打開するためにも社会全体が若者の挑戦に伴う「遠回り/回り道」に対して寛容になる必要があります。
◆朝日新聞 「成人の日に 尾崎豊を知っているか」
尾崎豊はどこへ行ったのか。あの時の同じ26歳,気鋭の社会学者,古橋憲寿さんには「オヤジよ,放っておいて」と言われたそうだ。近著「絶望の国幸福な若者たち」では,20代の7割が現在の生活に満足している,との調査結果を紹介している。過去40年で最高だ。
将来の希望が見えないか,未来を探すより,親しい仲間と「いま,ここ」の身近な幸せをかみしめる。そんな世界観が広まっていると言う。なるほどね。いくら「若者よもっと怒れ」と言っても,こんな社会にした大人の責任はどうよ,と問い返されると,オヤジとしても,なぁ・・・・・・。
でも,言わせてもらう。私たちは最近の社説でも,世界の政治は若者が動かし始めた説き,若者よ当事者意識を持てと促した。それだけ社会が危うくなっていると思うからだ。だから,くどいけれど,今日も言う。成人の日ってのは,そんなもんだ。ともあれ,おめでとう。
朝日新聞は,今回の記事で尾崎豊さんを例に今の若者を分析しています。今の若者が尾崎豊さんの歌に共感出来るとか言えば,非常に難しいと思います。恐らく最近の若者は「社会が悪い」と声高に叫ぶより,身近な事柄/幸せを大事にすることの方が,「自分と社会」にとって良いと考えているのではないでしょうか。これから多くの若者は「日本を変える」「社会を変える」という大きな目標を掲げるだけではなく,小さな幸せを大事にする生き方も目指すでしょう。なぜこのような価値観が若者に芽生えたのかを「大人」の皆さんは考えるべきですね。
◆産経新聞 「成人の日 志は「世のため人のため」」
新成人の中には,彼らの分まで社会貢献をしたいと話す人もいる。「復興に尽くす」「社会貢献」・・・若者口から出るこのような言葉には,むしろ大人の心が洗われる思いである。震災をきっかけとして,若者の人生観や倫理意識,ものの考え方が明らかに変わってきているといえよう。
これまではともすれば,広がる一方の経済格差など先の見えない閉塞感に不満を募らせているとみられがちだった若者が,お金やモノに縛られない新しい価値観を見いだしたようにも見受けられる。絶望の中で命の大切さを知り,人や故郷,社会との絆を考え,本当の幸福とは何だろうと見つめるようになったのではなかろうか。
勉強も仕事も自らの成功のためと考える風潮もある中で,ささやかながらも,「世のため人のために」働き,生きようとする若者は確実に増えている。
産経新聞は,「東日本大震災」をきっかけに「社会貢献」「復興に尽くす」という「人のためになる/人の役に立つこと」を意識するという「新たな若者の価値観」が生まれたことを指摘しています。
また「お金やモノに縛られない新しい価値観」を,まさにノマドやシェアという形で現代の若者は
手に入れています。上の世代が理解することは非常に難しい価値観を彼らは大事にして生きていくのです。
◆毎日新聞 「成人の日 おおいに発言しよう」
今後,少ない現役人口で多くの高齢者を支えないといけない。若年層の失業率は他の世代に比べて高い。就職難は相変わらずだ。それなのに,政府の政策は高齢者向けに傾きがちだ。世界を眺めても,行き詰まり感は否定しがたい。
そんな中で昨年は若者たちの動きが目立った。圧制を倒して「アラブの春」を呼んだのも,ニューヨークのウォール街など各地で格差への異議申し立てをしたのも,若い人たちが中心だった。
日本でも,昨年11月の大阪市長選が注目された。毎日新聞とMBS(毎日放送)が合同で実施した出口調査によると,20代,30代の7割が橋下徹氏を選んでいた。選挙結果の一因になったと思われる。
毎日新聞は,今の日本が抱える諸問題に対して若者にもっと発言することを促しています。なぜなら,これからの日本社会を担うのは間違いなく20代から30代の若者だからです。確かに世界でも中東での革命,ウォールストリートでのデモなど社会に対して不満を抱える若者が大きな声を上げたことで社会に影響を与えることが出来ました。また,昨年の大阪市長選では20代から30代の若者の投票が橋下氏の当選に繋がったことは間違いありません。私たちができることは「若者の行動」が社会に与える影響を過小評価せずに,「当事者意識」を持ち行動/発言することなのです。<参考記事>
日曜哲学タイム 成人の日の社説がウザい件
http://d.hatena.ne.jp/thinking-terra/searchdiary?word=%BC%D2%C0%E2
2012年の新成人は124万人・過去最少値 新成人人口の推移をグラフ化してみる
http://www.garbagenews.net/archives/1879615.html
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