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皆さんは,「タイム」という映画をご存知でしょうか。
「時間=通貨」という世界の中で,時間の取引をしながら
生きていかねばならない残酷な世界を描いた映画です。
先月から全国の映画館で公開されています。
以前から,興味があったこの映画を3月1日に見に行きました。
自分が映画を見る前に想像していた以上のインパクトを受け
ました。普段はこのような近未来系の映画はあまり好みでは
無いのですが,この映画には完璧にハマってしまいました。
全てを書いてしまうと,これからこの映画をご覧になる方の
楽しみを奪ってしまうことになるので,映画の簡単な設定を
踏まえながら,私のこの映画に対する感想や考えをまとめ
て行こうと思います。
私がこの映画を見て,現実で起きるある現象に照らし合わ
せながら考えてみました。製作者側も以下のことを問題意識
と抱えながら,製作していたのではないかと推測しています。
<米国ウォール街で起きた大規模な抗議デモ>
昨年,米国ウォール街でOccupy Wall Streetが起こり,
数多くの抗議者がウォール街に集結し大規模なデモが
広がりました。その影響は,世界各国の都市に伝播する
結果になりました。
この抗議デモの背景にあるのが,資本主義の暴走により
富裕層と貧困層(一部中間層)の間に所得格差が起こり,
それに不満を覚えた層の人たちが,富裕層の代表格と
されるウォール街に怒りの矛先を向けたということです。
「1%の富める者が富を独占し,残りの99%が貧しくなる」
貧困層と富裕層の間にある「格差」を解消するに当たり,
「所得再分配」が必要になると云うのは経済学の一般的
な考えであります。
これを,この映画に当てはめると「時間再分配」という考え
になると思いました。「数百年分」の時間を持つ富裕層が,
「数時間」から「数分間」しか時間を持っていない貧困層へ
「時間」を再分配することで,この「命の格差」を解消できる
のではないかと考えていました。
まさに,時間を巡り富裕層(少数)と貧困層(多数)が争う
様子が映画の中でも頻繁に描かれています。現実世界
では「お金」を巡り争い,空想世界では「時間」を巡る争い
が起きているという状況ですね。フィクションとはいえ,非常
に怖い世界だと感じました。
また,ギャングや警察が人々から「時間」を賄賂として受けとり,
複雑化した社会の秩序を保つという空想社会には驚きました。
<先進国を中心に勃興する新たな価値観>
ギリシャやイタリアを中心に起きた欧州の財政危機問題や
グローバリゼーションに端を発した厳しい雇用情勢の問題
などの数多くの問題を抱える先進国は,従来の価値観に希望
を持てずに苦しんでいるのが現状です。
今までは,「お金=幸せ」という価値観が蔓延っていました。
もちろんお金があるおかげで質の高い教育を受けたり,娯楽
を楽しめたりすることが出来る点において,お金は重要です。
しかし,お金にモノを言わせ大量生産・大量消費を先進国は
していました。そのことが,ややもすると新興国との格差や
国内での格差に繋がったという事実があります。
この映画では「時間の大切さ」を感じさせる場面に,時間を
シェアする(プレゼントする)場面があります。大切な人を祝う
ために,その分の時間をシェアするという発想には驚きました。
時間は本来誰にでも「24時間」平等に分配される資源ではあり
ますが,時間は絶対に増えることなく減り続ける資源なのです。
20世紀 資本経済社会
⇩
21世紀 評価経済社会
⇩
22世紀 時間経済社会
しかし,「時間」を増やすために時間を用いた取引が行われる
と,時間を持つもの(富裕層)が時間を持たざるもの(貧困層)
から時間を「搾取」するという構図が生まれ,そこに「格差」が
生じるのです。過去に,先進国と新興国の間に起きていたこと
を想起させるようでした。
しかし,富裕層は莫大な時間を手に入れ,不死の命を手に
入れることで,「無理をしなければ死なない」という考えを
持つようになりました。その一方で,彼らは永遠に続く人生
に対して倦怠感を抱くことになるのです。
時間が限られ生きるか,死ぬかの瀬戸際にいる貧困層は限ら
れた時間を生きるために,強盗や暴力をはたらき時間を奪おう
とします。しかし,限られた時間を有効に使うために生きることを
目指します。いつ死ぬか分からないからこそ,このような生き方
になります。富裕層と貧困層の間にある「意識の壁」と言えます。
映画の1シーンに「時間を無駄にするな」(Don't waste my time)
という言葉があります。まさに,時間は皆平等に「24時間」があり,
私たちは人生が永遠に続くと思いがちです。しかし,残念ながら
時間は有限なのです。この映画のように「1分,1秒」を大切に
することが必要なのではないでしょうか。
この映画は,単に「時間=通貨」を描いた物語ではなく,「資本
主義」や「格差」に焦点を当てた映画なのであると感じました。
【お知らせ①】2か月前から英語専用のフェイスブックページを運用しています。今回のように海外の大学で行われた著名人による卒業スピーチや海外メディアが報じているニュースなどを中心にウォールで公開しています。世界中の英語で発信されているコンテンツに興味のある方はぜひ「いいね!」をお願いします。
【お知らせ②】学生や社会人の方で、直接お会いしてお話させて頂ける方がいらっしゃいましたら、お気軽にフェイスブックのメッセージにご連絡ください。(友達申請はお会いした方のみとさせて頂きます。)カフェやランチでの交流なども大歓迎です。特に「ソーシャルメディア」や「フィリピン留学/オンライン英会話」などの話はご協力出来ると思います。
皆さんは,「タイム」という映画をご存知でしょうか。
「時間=通貨」という世界の中で,時間の取引をしながら
生きていかねばならない残酷な世界を描いた映画です。
先月から全国の映画館で公開されています。
以前から,興味があったこの映画を3月1日に見に行きました。
自分が映画を見る前に想像していた以上のインパクトを受け
ました。普段はこのような近未来系の映画はあまり好みでは
無いのですが,この映画には完璧にハマってしまいました。
全てを書いてしまうと,これからこの映画をご覧になる方の
楽しみを奪ってしまうことになるので,映画の簡単な設定を
踏まえながら,私のこの映画に対する感想や考えをまとめ
て行こうと思います。
私がこの映画を見て,現実で起きるある現象に照らし合わ
せながら考えてみました。製作者側も以下のことを問題意識
と抱えながら,製作していたのではないかと推測しています。
<米国ウォール街で起きた大規模な抗議デモ>
昨年,米国ウォール街でOccupy Wall Streetが起こり,
数多くの抗議者がウォール街に集結し大規模なデモが
広がりました。その影響は,世界各国の都市に伝播する
結果になりました。
この抗議デモの背景にあるのが,資本主義の暴走により
富裕層と貧困層(一部中間層)の間に所得格差が起こり,
それに不満を覚えた層の人たちが,富裕層の代表格と
されるウォール街に怒りの矛先を向けたということです。
「1%の富める者が富を独占し,残りの99%が貧しくなる」
貧困層と富裕層の間にある「格差」を解消するに当たり,
「所得再分配」が必要になると云うのは経済学の一般的
な考えであります。
これを,この映画に当てはめると「時間再分配」という考え
になると思いました。「数百年分」の時間を持つ富裕層が,
「数時間」から「数分間」しか時間を持っていない貧困層へ
「時間」を再分配することで,この「命の格差」を解消できる
のではないかと考えていました。
まさに,時間を巡り富裕層(少数)と貧困層(多数)が争う
様子が映画の中でも頻繁に描かれています。現実世界
では「お金」を巡り争い,空想世界では「時間」を巡る争い
が起きているという状況ですね。フィクションとはいえ,非常
に怖い世界だと感じました。
また,ギャングや警察が人々から「時間」を賄賂として受けとり,
複雑化した社会の秩序を保つという空想社会には驚きました。
<先進国を中心に勃興する新たな価値観>
ギリシャやイタリアを中心に起きた欧州の財政危機問題や
グローバリゼーションに端を発した厳しい雇用情勢の問題
などの数多くの問題を抱える先進国は,従来の価値観に希望
を持てずに苦しんでいるのが現状です。
今までは,「お金=幸せ」という価値観が蔓延っていました。
もちろんお金があるおかげで質の高い教育を受けたり,娯楽
を楽しめたりすることが出来る点において,お金は重要です。
しかし,お金にモノを言わせ大量生産・大量消費を先進国は
していました。そのことが,ややもすると新興国との格差や
国内での格差に繋がったという事実があります。
この映画では「時間の大切さ」を感じさせる場面に,時間を
シェアする(プレゼントする)場面があります。大切な人を祝う
ために,その分の時間をシェアするという発想には驚きました。
時間は本来誰にでも「24時間」平等に分配される資源ではあり
ますが,時間は絶対に増えることなく減り続ける資源なのです。
20世紀 資本経済社会
⇩
21世紀 評価経済社会
⇩
22世紀 時間経済社会
しかし,「時間」を増やすために時間を用いた取引が行われる
と,時間を持つもの(富裕層)が時間を持たざるもの(貧困層)
から時間を「搾取」するという構図が生まれ,そこに「格差」が
生じるのです。過去に,先進国と新興国の間に起きていたこと
を想起させるようでした。
しかし,富裕層は莫大な時間を手に入れ,不死の命を手に
入れることで,「無理をしなければ死なない」という考えを
持つようになりました。その一方で,彼らは永遠に続く人生
に対して倦怠感を抱くことになるのです。
時間が限られ生きるか,死ぬかの瀬戸際にいる貧困層は限ら
れた時間を生きるために,強盗や暴力をはたらき時間を奪おう
とします。しかし,限られた時間を有効に使うために生きることを
目指します。いつ死ぬか分からないからこそ,このような生き方
になります。富裕層と貧困層の間にある「意識の壁」と言えます。
映画の1シーンに「時間を無駄にするな」(Don't waste my time)
という言葉があります。まさに,時間は皆平等に「24時間」があり,
私たちは人生が永遠に続くと思いがちです。しかし,残念ながら
時間は有限なのです。この映画のように「1分,1秒」を大切に
することが必要なのではないでしょうか。
この映画は,単に「時間=通貨」を描いた物語ではなく,「資本
主義」や「格差」に焦点を当てた映画なのであると感じました。
【お知らせ①】2か月前から英語専用のフェイスブックページを運用しています。今回のように海外の大学で行われた著名人による卒業スピーチや海外メディアが報じているニュースなどを中心にウォールで公開しています。世界中の英語で発信されているコンテンツに興味のある方はぜひ「いいね!」をお願いします。
【お知らせ②】学生や社会人の方で、直接お会いしてお話させて頂ける方がいらっしゃいましたら、お気軽にフェイスブックのメッセージにご連絡ください。(友達申請はお会いした方のみとさせて頂きます。)カフェやランチでの交流なども大歓迎です。特に「ソーシャルメディア」や「フィリピン留学/オンライン英会話」などの話はご協力出来ると思います。
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