偶然、駅構内の書店で購入した「趣味力」という本。筆者の秋元氏が同世代(40代〜50代)に向けて趣味を持つことの意義や筆者自身の体験から学んだ人生の知恵をサラッとまとめた1冊。とにかく読みやすい。20代の私は恐らく想定していた読者層とは異なるかもしれないが、冒頭から「!」と思う箇所があったので紹介する。
■始めてのことを始めてみる
もしかしたら初めてのことを始めるというのは、包丁を研ぐようなものなのかもしれない。ずっと同じ包丁を使っていると、必ず同じ部分が摩耗して、切れ味が悪くなる。人生も同じように、単調な人生を送っていると、感性が鈍ってくる。だから、摩耗した包丁を研ぐように、初めてのことを始めて、感覚を研ぎすませる。すると、ルーティンワークになっていた日常が新鮮に見えてくるのだ。(pp.12-pp.13)
■最近ドキドキ・ワクワクしていますか?
彼の「初めてのことを始める」という一見すると月並みな言葉だが、意外に多くの人が疎かにしがちなことである。人は年齢を重ねるごとに「恥をかくこと(=失敗)」に対して強烈な恐怖心を抱く傾向に有る。また、初めてのことをする時は必ずドキドキ(ワクワク)する。
その感情は若い時なら怯まずに受け入れ、勢いだけで乗り越えることが出来たが、年齢を重ねるとそんな簡単には行かない。無意識の内に保身に走り「未経験」を避け「経験」があることにしか取り組まなくなる。それだけ、人間というのは年を重ねるたびに変わる生き物である。
別に初めてのことは大げさで有る必要はない。例えば、今まで行ったことがない場所に行く、話したことが無かった人に話しかける、いつもより1つ手前の駅で降車して自宅まで歩いてみる、ランチでいつも注文しているメニューではなく他のメニューを注文してみる、など無限に有る。ただし、これらのことが必ずしも自分において「成功」とは限らない。なぜなら「未経験」だから。
未経験だからこそドキドキすることもあれば、ワクワクすることもある。その時に人の感性は研ぎすまされる。ここに年齢は関係なくて、どんなに若者でも惰性で同じことを繰り返していると老け込んでくる。先ずは、いつもとちょっとだけ違うことをしてみよう。私の場合は3月中に慣れ親しんだ場所を離れる予定。それは、自分の中で思考がガチガチになり身動きがとれなくなっている感覚があるから。一歩踏み出せば何かがきっと変わる。
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