こんにちは、毎週恒例のブログ更新です。
先日のフィリピン滞在中に昨年9月から3ヶ月間お世話になった語学学校であるCNE1に訪問しました。今回は日本代表である井坂浩章氏との2時間に及ぶ会話の中で卒業生として改めて気付いたことをマーケティングの観点から考え、広告予算や人材不足に悩む中小企業にも役立つ(応用可能)ような内容を書きます。
先ずは、CNE1の特徴について簡単にまとめていく。
学校はサンマニュエル市ターラック州に位置しており、ニノイアキノ国際空港からバスで4〜5時間、クラーク空港からバスで3時間のアクセス。アクセスはマニラやセブにある英語学校と比べて良いとは言えないが、周りに自然が多くあり勉強に集中できる環境である。
CNE1のマーケティング戦略のポリシーの1つとして「留学エージェントを使用しない」というのが挙げられる。この点について井坂氏は「留学エージェントに広告を掲載せずに、その浮いた分の費用を生徒様の留学費用に還元すべきだ」と仰っている。また、宣伝手段としては井坂氏のTwitter(フォロワー約3000人)がメインで、その他は卒業生による「口コミ」のみである。
ここで大きな疑問が1つ浮かぶ。なぜマニラやセブの語学学校よりもアクセスが悪く、また留学エージェントを使用せずに通常は閑散期である10月に日本人生徒約50名を確保しその人気を維持することができているのか、ということである。
この疑問を考える上で様々な要素が考えられるが、私が1番重要だと思うことは先ほど指摘した卒業生による「口コミ」である。さらに、この口コミを加速させているのが卒業生が自発的に集まる「コミュニティ」の存在である。ポイントは卒業生自身がTwitterやFacebookなどのソーシャウェブを駆使し、自発的かつ緩やかにコミュニティ、ある種のムラを形成していることである。
彼らは、この緩やかなコミュニティ内に他の卒業生や留学予定者を招き入れ、自身の留学体験記や留学中の思い出を皆で共有する流れが生まれる。すると、自然に学校への愛着(エンゲージメント、ロイヤリティ)が深まり、口コミがさらに加速して伝わるようになる。つまり、コミニュティー内に大きなバイラルが生まれるのである。(2012年3月には関西会、東京会、東北会が全国各地で行われた)
ファンでありサポーターでもある彼らは、ある意味で「マーケティング部隊」の役割を担っているに等しいと私自身は思う。また、コミュニティーだけではなくオンライン上のソーシャルメディアへ学校に対する想いやメッセージを何気なく書き残すことで、それ自体が「広告」(従来の“意図を含む広告”ではなく、”何気ない”消費者自身の生の声を反映している)の役割を果たす。これこそが、CNE1の最大の強みである。
それでは、他の中小企業もソーシャルウェブを駆使さえすればCNE1のように消費者による自発的なコミニュティー(ファンクラブ)の形成を促し、自然と口コミが発生するのだろうか。恐らくその考え方は間違っている。あくまでも大前提となるのは「本業に対する評価(満足度)」の高さである。
この現代社会の中で、多くの消費者は日々忙しい生活を過ごしている。そんな彼らが貴重な時間を利用してなぜわざわざソーシャルウェブへの書き込みや会話をしてくれるのかを再考する必要がある。それは、彼らが自社のサービスや製品に感動して満足感を抱いたからである。つまり、口コミの発生やコミュニティーの形成において最も大事なことは「自社のサービス並びに商品の満足度を高める」に尽きる。
これを行えば、消費者は自発的にその想いを周りの人々に共有しようとする。TwitterやFacebookなどソーシャルウェブへの何気ない書き込み、フィリピン留学に興味がある人への何気ない推薦。これら全てが自社に対する「応援という名の広告」になる。中小企業の方々は自社のリソース不足を嘆く前に、先ずはもう1度原点に立ち返り消費者の「満足度」を高めることに意識を置いてみてはいかがであろうか。
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