2012年4月1日日曜日

疑似体験ではなく実体験に価値がある時代が到来した

TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが普及したことにより,今まで自分と関わることが不可能であった人たちと繋がりを持てるようになり,彼らの行動が可視化されるようになり,コミュニケーションの幅と量が急激に増加しているのが昨今の現状だと云えます。




世界一周をされている方の近況,仕事やビジネスの現場で活躍されている方のツイートやシェアを見るとまるで自分が体験しているかのような気分になります。これを「ウェブにおける疑似体験」とします。


しかし,その情報も実際に「リアル」で行動されている方が発信する情報ではありますが,良くも悪くも「バイアス」(主観)が含まれていることは否めません。例えば,ある国を訪れた方が「ここは,〇〇が良いですよ!」と伝えても,人それぞれ感じ方は異なるはずです。しかし,もちろん全員がその場でリアルに体験を出来る訳ではないので,どうしてもそういった情報を鵜呑みまでは往かなくとも受容してしまいがちです。つまり,「自分の足で稼いだ情報」ではないのです。





このようなウェブにおける疑似体験」が「肥大化」することで,私たちはまるで「実際にやっていないのに物事を知ったつもりになる」という現象がどうしても起きてしまいがちです。まるで,「行動」をせずに「傍観」だけに終始してしまうようになるのです。これは,実際に社会で働いたことがない学生(就職活動生)にも当てはまるのではないでしょうか。


例えば,ある著名人が「新卒一括採用はおかしい!」と主張すると実際に社会経験が無い多くの学生は,判断をするための経験が無いために,その情報を鵜呑みにしてしまい「新卒一括採用は,個人と組織の停滞を招くことになる」とまるで「評論家」のような態度をとってしまいがちです。(もちろん,制度の是非はありますが,制度のメリットとデメリットを考慮した上で発言をする方が賢明だと思います。


こういったソーシャルメディアで他人の行動が可視化され,他人の体験を「疑似体験」しやすくなった時代だからこそ,「実体験に価値がある時代」になるのではないでしょうか。まさに,ブロガーのちきりん氏が指摘している「自分の頭で考えように通じる考え方だと思います。


知ったつもりになる」ことを防ぐには,自らの「目」で現場を見て,自らの「足」で情報を稼ぐことが重要になるでしょう。言い換えれば,一次情報を他人に頼るのではなく,自分で手に入れる位の気概と行動力を発揮する必要があると云えます。もちろん,自分の情報すらもある種の「バイアス」がかかっていますが,その情報に基づく「判断」(自分の頭で考える)であるなら,結果も良い方向に出やすいと思います。「体験」は自分でしなければほぼ無意味になります。


また,自分が手に入れがたい経験(情報)はもちろん存在しています。しかし,そこでもそれらの経験(情報)を「自分の力」で手に入れることが一層大事だと思います。例えば,Twitterで気になる人がいれば,ただその人のツイートを「RT」や「お気に入り」するだけではなく,実際に連絡を入れてお話しする機会を手に入れる必要があります。そこで得られる情報は,ウェブ上で得られる情報の「数倍の価値」があると断言できます。


TwitterやFacebookなどのツールが普及している現代からこそ,一見地味なアナログ的行動の価値が上がるのだと思います。私たちは「便利さ」を享受したものの,「行動」に移すための気持ちを失いつつあります。そんな今だからこそ,「疑似体験」では済ませず「実体験」を求めて行動していくべきなのだと思います。